こんにちは、toshiです。
今回は、前回に引き続き、認知症のスクリーニングテストの一つである、MMSEについて解説していきます。
MMSEとは?
MMSEとは、Mini-Mental State Examinationの略で、日本語で精神状態短時間検査と言います。
認知症のスクリーニングテストとして世界で最も広く使用されている検査の一つです。
所要時間は10分程度、評価項目は11問と比較的簡易に認知症かどうかをふるいにかけることができ、臨床でもよく利用されています。
30点満点で23点がカットオフ値となっています。
HDS-Rと違い、言葉の機能だけではなく、動作指示や描画課題など、非言語の機能についても評価することができます。
一方、運動や視覚に障害がある人への施行には配慮が必要です。
MMSEの構成
MMSEは、11問も項目から構成されています。
・日時の見当識 年月日・曜日・季節
・場所の見当識 都道府県、市区名、場所、階、地方名
・3語即時再生 3つの言葉を検査者が言ったまま言ってもらいます
・連続7減算 ある数字から7を5回引き算してもらいます
・3語遅延再生 3語即時再生で言ってもらった言葉をもう一度言ってもらいます
・物品呼称 2つのモノの名称を言ってもらいます
・復唱 紙に書かれた文を読み上げてもらいます
・3段階の命令 口頭での指示に従ってもらいます
・閉眼指示 文を読んでその通りにしてもらいます
・作文 文字通り文章を作ってもらいます
・図形模写 五角形を模写してもらいます
以上の11項目がMMSEの構成です。
臨床での用い方
臨床では、主に高齢者に対して行うことが多いです。
物忘れなど、認知症が疑われる場合
高齢者教習で認知機能検査で診断書作成を求められた場合
高齢者でうつや不安症状を主訴としている場合のスクリーニングとして
こういった場合で用いられることが多いですね。
また、信頼性を高めるためにHDS-Rと並行して行うところもあります。
特に90歳代などのかなり年齢の高い人だと長い時間の心理検査はそれ自体がとても負担になります。そのため、できるだけ、少ない時間で行える検査が多くなります。場合によっては、MMSEやHDS-Rをすることも難しい方ももいます。そういった方は診察のみになることも少なくありません。後日、受けていただけることもあります。
まとめ
今回は、HDS-Rに続き、MMSEの解説をしました。
・MMSEはHDS-Rと同じく、認知症のスクリーニングテスト
・世界的に用いられており、国際比較なども可能
・30点満点で23点がカットオフ値
・11項目から構成されている
・臨床では主に高齢者に用いられる
・90歳以上などの高齢者であれば、実施すること自体難しいこともある
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
↓参考にした書籍です。